不動産ファンド運用会社のグローバンスは5月26日、東京地方裁判所に民事再生手続きを申請し、受理された。帝国データバンクによると、負債総額は74億5000万円に上る。

 グローバンスは2003年に設立、不動産ファンドの組成やアセットマネジメント業務などを手がけてきた。2005年9月に名古屋エリアの物件に特化した「マルハチファンド」の運用を開始したのを皮切りに、関西ファンド、学生マンションファンドなどを次々と組成してきた。運用資産総額は952億円に達する。

 2008年3月には三つのファンドを立ち上げる予定だったが、このうち二つのファンドに関してノンリコースローンを調達できずに組成を断念した。そこで組み入れ予定物件を3月末に自己資金でいったん決済。6月に組成するファンドへの組み入れを計画したが、ここでもノンリコースローンを調達できなかった。手元資金の流出、保有コストの増加などによって財務体質が悪化し、自力での事業継続を断念した。