2009年3月に経営破綻したパシフィックホールディングス傘下の日本レジデンシャル投資法人と、伊藤忠商事傘下のアドバンス・レジデンス投資法人は8月6日、合併することで基本合意したと発表した。REIT(不動産投資信託)の投資法人同士の合併は、初めてのケースとなる。2009年9月に合併契約を結ぶ予定だ。合併比率はアドバンス・レジデンス1に対して日本レジデンシャル0.66となる。資産運用会社も合併する。

 合併方式は、アドバンス・レジデンスを存続法人とし、日本レジデンシャルを消滅法人とする吸収合併を予定している。ただし、今後、合併スキームを新設合併方式に変更する可能性がある。両投資法人は共に住宅特化型REITであり、合併後の総運用資産規模は合計187物件、取得価格ベースで約3889億円となる。現時点の資産規模で比較すると、上場している全銘柄中、4番目に大きい規模となる。合併の効力発生日、合併時に発行する新投資口数などは今後、決定する。

 日本レジデンシャルのスポンサーであるパシフィックホールディングスは、2009年3月に会社更生法の適用を申請。傘下の日本レジデンシャルは安定的な資金繰りを確保するため、新たなスポンサー会社の選定を急いでいた。このたび、スポンサーが伊藤忠商事に決まり、投資法人同士の合併へと進むことになった。