ニューシティ・レジデンス投資法人は、9月9日に開催された債権者集会で米ローンスターをスポンサーとする再生計画案が否決されたことを明らかにした。今後は、大和ハウス工業とその傘下にあるビ・ライフ投資法人をスポンサーとして、新たに再生手続きを進める考えだ。

 ニューシティ・レジデンス投資法人は2008年10月、民事再生法の適用を申請し、上場REIT(不動産投資信託)としては初めて経営破綻した。その後、2009年4月に、ローンスターおよびグループ会社のKFキャピタル(本社:港区)をスポンサーとする再生計画案をまとめたものの、7月の債権者集会で計画案が否決された。貸出金の回収条件などに対して不満を持つ大口債権者の主要金融機関が反対したためだ。

 9月9日の債権者集会では、条件などを見直した再生計画案を提出したものの、債権者の同意を得られずに再び否決された。これを受けて、東京地方裁判所は同日、再生手続きの廃止を決定した。投資法人もローンスターとの間で結んだスポンサー契約を解除した。

 ニューシティ・レジデンス投資法人は今後、破産という事態を回避するため、新たな再生計画案の作成を急ぐ。新たな再生計画案では、すでに大口債権者から示されているビ・ライフ投資法人との合併を主なスキームとする。

 一方、ビ・ライフ投資法人も9月9日、ニューシティ・レジデンス投資法人の再生を支援する意向を改めて発表した。