6日に開幕したMIPIMの会場。1万9000人の参加が見込まれている
6日に開幕したMIPIMの会場。1万9000人の参加が見込まれている
東京都の展示ブースでは、アジアヘッドクオーター特区構想をアピール
東京都の展示ブースでは、アジアヘッドクオーター特区構想をアピール
日本をテーマにしたモーニングセッションが、MIPIMのオープニングを飾った
日本をテーマにしたモーニングセッションが、MIPIMのオープニングを飾った

 現地時間の3月6日、仏カンヌで世界最大の不動産コンファレンス、MIPIM(ミピム)が開幕した。事前登録ベースの数字によると参加者数は1万9000人と前年並みになる見込みだ。イタリアとの国境から車で1時間、映画祭で知られる南仏のリゾートタウンは、憂鬱な見出しが踊る新聞紙面とは裏腹に、以前と変わらないにぎわいを見せている。

 MIPIMは世界のファンドマネジャーが一堂に会する場であるとともに、彼らと政府系ファンドや年金基金との社交場ともなっている。こうした投資家サイドの参加者の数は4000人。ロンドン、パリ、モスクワといった欧州大都市の首長、幹部も年に一度、この場に集結して各都市への誘致合戦を繰り広げる。

 日本からの参加者は昨年比倍増の約70人。住友不動産、東急不動産、三井不動産、三菱地所、森ビル、森トラストといった大手のデベロッパーが集まり、東京の魅力をアピールした。東京都は展示ブースを設けて、昨年末の国際戦略特区指定を受けた「アジアヘッドクオーター特区」構想をアピールし、企業誘致を図っている。

 9日まで4日間の会期中は、60ものセッションのほかいくつものプライベートイベントやプレス発表会が開催される。オープニングを飾ったのは、昨年に続いて、日本をテーマにしたモーニングセッションだ。三井不動産の冨川秀二執行役員が欧州危機と日本からの教訓を題材に講演したほか、パネルディスカッションが行われた。

 日経不動産マーケット情報は今後数日間にわたって、MIPIM会場で見聞きした不動産金融の最前線の動向をお送りする。

本間 純=仏カンヌ