日経不動産マーケット情報はこの4月、ウェブサイトを刷新しました。グローバルナビゲーションには不動産セクターごとのボタンを配置。必要な情報へのアクセス性を高めました。スマートフォン用サイトもデザインを一新し、より使いやすくしています。これを機に情報発信をさらに強化していきますので、ご期待ください。

 日経不動産マーケット情報2021年5月号では、四半期に1度実施している成約賃料調査を掲載しました。コロナ禍でオフィス需要に変化が生じていることは、これまでもお伝えしてきた通りですが、今回の調査では東京都心の調査対象エリア22カ所のうち、半分の11カ所で成約賃料の下落が顕在化しました。オフィスのあり方を抜本的に見直す企業は多く、しばらくは需給の調整が続きそうです。横浜2カ所と大阪4カ所を含む合計28エリアの賃料水準をグラフにし、5月号とウェブサイトに掲載しましたので、ぜひご覧ください。

 同じく四半期ごとに行っている売買事例分析も、5月号に掲載しています。昨年春のコロナ禍拡大で暴落した東証REIT指数は、今年に入り回復の歩みを速めています。3月には終値で2000台を回復。4月15日時点では2035と、コロナ禍直前のピークに近づいてきました。そのREITを上回る購買力を発揮する事業会社や私募ファンドもあり、不動産価格の高止まりが続いています。「需要減に苦しむホテルでさえ、期待ほどには価格が下がらない」と嘆く声が聞かれるほど。セクターごとに様相は異なるものの、2度目の緊急事態宣言下に置かれた2021第1四半期も不動産取引の現場は比較的堅調に推移したと言えます。

 売買レポートは、米ブラックストーンなどが推定600億円で取得した近鉄系列のホテル8棟や、日本ビルファンド投資法人による450億円規模の資産入れ替え取引、米ベントール・グリーンオークが推定450億円超で取得した広小路クロスタワーなど、記事27本を収録。これらを含む取引事例138件を一覧表にまとめました。

 なお、2002年の創刊以来の取引データ2万3000件は「ディールサーチ」で提供しています。4月からは価格情報や都市計画情報を地図上に表示する機能を付加。これまで通り、REITの運用実績データなども収録していますので、トラックレコードをお探しの際はぜひ利用をご検討ください。

編集長 三上 一大