日銀短観によると、2021年6月時点の企業の業況感指数は-3ポイント。1回目の緊急事態宣言による影響が色濃い1年前と比べると、28ポイント改善しました。いったんは緩和された人手不足も再び勢いを増しています。ただコロナ禍前であればオフィスの拡張に動いた企業も、今はオフィスのあり方そのものを見直す方向です。日経不動産マーケット情報2021年8月号に掲載した成約賃料調査では、そうした需要減の影響が如実に表れており、東京の主要オフィスエリア22カ所のうち17カ所で賃料が下落しました。誌面では大阪や神奈川を含めた28エリアの成約水準をまとめていますので、ぜひご確認ください。

 賃料調査と同じく四半期に1度実施している売買事例分析も、8月号に掲載しています。2021年第2四半期(4月~6月)は引き続き、不動産会社や投資家の取得意欲が旺盛。東証REIT指数も6月末時点で2151と、金融危機後の最高値に迫る水準に達しました。しかし不動産市場での取引額は例年に比べて少なく、本格的な回復までには時間がかかる見通しです。記事では、最近の市場のトレンドや主な大型取引、オフィスビルの推定利回りなどをまとめています。市場動向を把握する材料としてご覧ください。

 売買レポートは、2700億円程度での取引が見込まれる電通本社ビルや、三井不動産が大半を取得した銀座の店舗ビル、サッポロが220億円の譲渡益を確保した恵比寿ファーストスクエアなど、記事28本を収録。これらを含む取引事例116件を一覧表にまとめました。

 なお、2002年の創刊以来の取引データは「ディールサーチ」で提供しています。REITの運用実績データなども収録していますので、トラックレコードをお探しの際はぜひ利用をご検討ください。

編集長 三上 一大