ご当地REITの組成が静かに広がっています。ひろしま地方創生リート投資法人が2018年に運用を開始し、今年6月には東海道リート投資法人が上場しました。北海道リート投資法人は来年の運用開始をめざしています。古株としては2005年に上場した阪急阪神リート投資法人があります。そして福岡では来春、JR九州プライベートリート投資法人が運用を開始する予定。2005年に上場した福岡リート投資法人に続く、2例目となります。福岡の不動産市場には、それを受け止められる懐の深さがあるということでしょう。彼の地では人口の増加が続き、天神ビッグバンや博多コネクティッドといった大規模な再開発施策も進行中。コロナ禍下でもオフィス縮小の動きは限定的で、賃料の下落もわずかにとどまります。日経不動産マーケット情報2022年1月号では、そんな福岡の不動産投資市場を特集しました。この1年どのような取引があったのか、どこで開発計画が進んでいるのかを、地図と表にまとめています。変わりゆく福岡の今を、特集でぜひご確認ください。

 12月半ばに発表された日銀短観によると、コロナ禍でマイナス圏に沈んでいた全産業業況感インデックスは、緊急事態宣言の解除によってプラス圏に転じました。経済活動の正常化に向けて動き出したことで、企業の移転需要が顕在化。三鬼商事の調べでは、東京都心のオフィスビル空室率は1年9カ月ぶりに低下し6.35%となっています。今後はどうなるのでしょうか。1月号には、シンクタンクや証券会社、不動産仲介会社のアナリスト20人によるオフィス市況予測も掲載しました。それによると2022年は稼働率、成約賃料ともに下落幅は緩やかですが、大規模オフィスビルの竣工が集中する2023年は悪化傾向が顕著となりそうです。アナリスト20人がそれぞれ市況をどう予測しているのかは、本誌でご確認ください。

 売買レポートは、米不動産大手のハインズが初の対日投資として実行したニューステージ横浜の取得や、第一生命保険がオフィス部分を取得したイタリア文化会館、香港のフェニックス・プロパティ・インベスターズが取得した心斎橋の大型ビルなど、記事21本を掲載。これらを含む取引事例135件を一覧表にまとめました。2002年の創刊以来の取引データは「ディールサーチ」で提供しています。REITの運用実績データなども収録しています。トラックレコードをお探しの際はぜひご利用ください。

 なお日経不動産マーケット情報では、東京都心にある延べ床面積3000m2以上の賃貸オフィスビル3000棟について、スペックやテナント情報などをまとめた「オフィスビルデータベース」を運用していますが、来年3月にはフルリニューアルを実施予定。サービスを大幅に拡充する計画ですので、併せてご利用をご検討いただければと思います。

 2021年も終わりに近づいています。今年1年、日経不動産マーケット情報をご愛顧いただき、どうもありがとうございました。オミクロン株の登場や海外でのコロナ禍の再拡大で、先行きに再び警戒感が高まる年の瀬となりましたが、小誌は来年もホットなニュースを皆様にお届けしてまいりたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願い致します。

編集長 三上 一大