ワークプレイスの多様化が進んでいます。自宅、カフェ、ホテルは当たり前。最近では銭湯やサウナ、キャンプ場に至るまで、あらゆる場所にワーク環境構築の動きが広がっています。今後も変わらずオフィスビルがワークプレイスの中核であり続けるでしょうが、需要が弱含むなか、気になるのは供給サイドの動きです。日経不動産マーケット情報2022年6月号の特集は、毎年恒例の「これからできる大規模オフィスビル」。東京23区で計画されている延べ床面積1万m2以上のオフィスを中心としたビルを調査しました。その結果、108棟、総延べ床面積1251万m2の計画が進行中であることがわかりました。6年連続の1000万m2超え。新宿駅前で大規模なプロジェクトが始動するなど、デベロッパーの旺盛な開発意欲は健在です。テナント獲得をめぐり、今後ますます激しい誘致合戦が繰り広げられることになります。

 特集では、竣工年別に供給量を図示したほか、開発計画を地図にプロットし、どこでどのような計画があるのかを一目でわかるようにしています。ウェブサイトにはカラー版マップも掲載します。また、詳細な調査データをまとめたエクセルシートや、印刷可能なマップなどを収録したCD-ROM「これからできる大規模オフィスビル調査データ2022」もご用意しました。併せてご活用いただければと思います。

 四半期ごとに実施している東京・横浜の建築計画調査も6月号に掲載しました。東京都心5区と横浜市は延べ床面積1000m2以上、5区を除く東京18区は1万m2以上が対象です。今回の調査では109万m2のプロジェクトが新たに判明しました。どこにどのような計画があるのかを地図と表にまとめていますので、ぜひ本誌でご確認ください。

 売買レポートは、モルガン・スタンレーが売却した有明セントラルタワーや、ヒューリックが日立から取得した日立ソリューションズタワー、大成など4社が取得した銀座の店舗ビルなど、記事25本を収録。これらを含む売買事例110件を一覧表にまとめています。2002年の創刊以来の取引データは「ディールサーチ」で提供しています。REITの運用実績データなども収録していますので、トラックレコードをお探しの際はぜひ利用をご検討ください。

編集長 三上 一大