コロナ禍が落ち着きを見せるなか、経済活動の活性化が喫緊の課題となっています。東京では1年半ぶりとなる都内観光促進策の再開が話題になったばかりですが、岸田首相は6月15日の会見で、全国を対象とした観光需要喚起策を7月前半にも実施すると表明しました。訪日観光客の受け入れ緩和と併せ、観光立国に向けた再始動が鮮明になりつつあります。

 期待を寄せる都市は数多いですが、2025年に万博を控え、長崎と並んでIR(統合型リゾート)整備を国に申請している大阪はその一つでしょう。日経不動産マーケット情報2022年7月号では、大阪の不動産投資市場を特集しました。彼の地ではコロナ禍の拡大やECの普及で、店舗賃料や商業地価が大きく落ち込みました。しかし、収益用賃貸マンションや開発用地は飛ぶように売れ、コロナ禍前より過熱気味。観光需要の復活を見越して、ホテルセクターも動きが慌ただしくなっています。特集ではこうしたトレンドや、大阪都心でこの1年間に行われれた不動産取引を地図と表にまとめています。ぜひご覧ください。

 大阪のオフィス市況は比較的堅調ですが、東京では下落基調。7月号には、シンクタンクや証券会社、不動産仲介会社のスペシャリスト20人の協力を得て、東京のオフィス市況を見通す「アナリスト予測」も掲載しています。オフィスの新規大量供給を迎える2023年は稼働率が低下する見通し。ただ、その幅は次第に緩やかになり、成約賃料は大崩れしないというのが、今回の予測の標準シナリオです。とはいえ、オフィス需要については見解が大きく分かれ、シナリオが大きく外れる可能性もあります。20人がそれぞれ市況をどう予測しているのか、本誌でご確認いただければと思います。

 売買レポートは、大成建設など3社が5割超を取得した大手町野村ビルや、モルガン・スタンレーが一棟所有とした横浜野村ビル、FPGによる6物件・300億円超の投資など、記事24本を収録。これらを含む取引事例111件を一覧表にまとめています。

 なお、2002年の創刊以来の取引データは「ディールサーチ」で提供中。REITの運用実績データなども収録しています。また、東京都心のオフィスビル3000棟のテナント情報については「オフィスビルデータベース」で、東京都心の大規模オフィスビル開発計画については「これからできる大規模オフィスビル調査データ2022」で提供しています。ぜひ併せての利用をご検討ください。

編集長 三上 一大