先日、ちょっとした機会があって、女子中高生たちの通学カバンの中身をのぞかせてもらった。まず目に付いたのは、20本から30本ものカラフルなペン類を入れているケースだ。筆箱ではなく、ディズニーのキャラクターなどが描かれたソフトなペンケースだった。そして、彼女たちの必須アイテムは「鏡」と「携帯電話」だった。

 携帯メールについて、多用乱用のさまを覚悟して聞いてみたところ、確かに1日に100通ものメールを受信するヘビーユーザーがいた。しかし、話をするにつれて、特に気になるメールにしか返信しないことや、携帯メールによる誤解やケンカがほとんどないことなど、思いのほか携帯メールにクールで淡白であることがわかってきた。「だって、大事なことなら電話をかけるし、急ぎだったら家にまで会いに行ってしまう」というのだ。

 企業としては、メールが不通の事態になろうものなら、たちまちクレームの嵐となるだろう。インターネットやメールが、経済活動やビジネススタイルを大きく変えたことは確かだ。しかし最近は、少々メールに依存し過ぎているように感じる。メールでぎこちないやりとりをしていたのに、当の本人と実際に会ってみたら話がするすると進んだ経験が、誰にでもあるのではないかと思う。

 日経不動産マーケット情報では2006年以降に完成するオフィスビルを調査して、ビルの立地を示した「これからできる大規模オフィスビルマップ」を作成した。昨年から新たに加わったビルは31棟。これらは、都心部にある比較的新しいビルや、計画中の大規模開発の間を埋めるように分布している。オフィスビルの供給は都心部に集中しており、この傾向はしばらく続きそうだ。これとともに、以前と比較すると、企業は都心部にオフィスを構えやすくなっている。

 それなら、時にはメールを送る手を止めて、都心にオフィスがあることによる利便性や、人と対面することのメリットを再確認しに出かけるのもいいかもしれない。「大事な用事なんだったら、会いにいけばいいじゃん」。女子中高生にオフィスビルのマップを見せたら、こう言われそうな気がする。

(橋本 郁子=不動産アナリスト)