1月6日付で貸しビル仲介大手の生駒シービー・リチャードエリス(以下、旧生駒)が、米国に本社を置くシービー・リチャードエリス・グループ(以下、CBRE)と経営統合したことについて、伝統ある「生駒」の名が消えたこともあり、不動産関係者の中には「旧生駒がCBREに飲み込まれた」という印象をもった人も多いようだ。

 CBREが出資比率を51%に増やして子会社化した形だが、新生シービー・リチャードエリスの社長には旧生駒の花谷立身氏が就任した。日本市場での事業拡大と、これに伴う国際市場でのシェア拡大という目的において、両社の思惑が一致したというのが正解だろう。1月10日付の同社のニュース・リリースは、「ニューヨーク、ロンドンと並んで東京においてもトップの地位を確保する基盤を整える」と記している。統合は、不動産市場の国際化に伴う必然的な帰着点。旧生駒は、名を捨てて実を取る道を選んだのである。

 港区浜松町に本社を置く旧生駒のグループ社員数は539人。港区六本木の泉ガーデンタワーに本社を構えるシービー・リチャードエリス・ジャパンの従業員数は54人。統合によって、運営上は従業員数約600人の一つの会社になる。年間売上高は合わせて110億円だ。統合後の経営目標については明らかにしていないが、一部の経営陣は売上規模2倍以上の飛躍的な発展を思い描いているようだ。

 不動産会社のサービスは、事業会社に対するものと投資家に対するものの大きく二つに分かれる。これまで旧生駒が得意としてきたのは、主にオフィス仲介などの事業会社に対するサービスだ。今後はCBREが得意とする投資家向けサービスのノウハウを積極的に使って、日本での業務を多様化する計画だ。欧米流の本格的なファシリティマネジメントの展開など、事業会社向けのサービスでも発展の余地が残されている。

 さて、もう一つ気になるのはオフィスの行方だ。シービー・リチャードエリス・ジャパンのクリストファー・フォシック代表取締役社長は「クライアントへのサービスの質を高めることが先決だが、いずれ一つのビルに統合したい」と語っている。

(菅 健彦)

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