プロ野球のパ・リーグでは、優勝を争うプレーオフの真っ最中だ。第1ステージは、ロッテ(シーズン2位)が西武(シーズン3位)を下した。第2ステージでもロッテの快進撃は続き、シーズン1位のソフトバンクに2連勝して、優勝まであと一歩に迫った。

 プレーオフについては、シーズン終盤を盛り上げるという賛成の声がある一方で、長いレギュラーシーズンを戦う意義が薄れるという反対意見も出ている。シーズン1位のソフトバンクの勝率が66%なのに対して、3位の西武の勝率は5割に満たない。もし西武がプレーオフを制して優勝したら、ソフトバンクの王監督は大いに嘆くだろう。

 さて不動産の世界では、ビルを売却するのに入札が当たり前のように行われるようになった。1回の入札では落札者を決めず、入札を繰り返して、さらに高い価格を競うケースもある。

 あるビルの入札で、再開発目的で入札に挑んだデベロッパーのA社は1次入札を通過できなかった。この入札を勝ち抜いたのは、工事の請け負いが主目的のゼネコンのB社だ。事業費を負担するパートナーを求める立場である。1次入札後にB社は、複数の会社に声をかけた。その結果、入札で負けたA社が、実質的な事業主体として復活することになった。

 悔しいのは、2次入札まで進み、もう少しのところで勝てなかったデベロッパーのC社だろう。「これまでの真剣な努力は何だったの?」と嘆くに違いにない。負けたのに勝ったようなA社だが、この先もずっとハッピーかどうかはわからない。高い事業費が賃料や商業施設の料金などに反映されて、テナントや客が集まらないかもしれない。本当の勝負はビルのオープン後に、利用者が決めるのである。

(菅 健彦)