三菱東京フィナンシャル・グループとUFJホールディングス、第一製薬と三共など、大型の企業合併が相次いでいる。大型の合併が発表された場合、本社を集約移転するのか問い合わせることにしている。回答で多いのは「将来は集約するかもしれないが、当分は現状のままで業務を続ける」というものだ。

 オフィスを集約する場合、企業はオフィス家具メーカーにレイアウト設計や不足する家具の買い足しなどを依頼する。そこでオフィス家具メーカーの営業担当者に、「すぐに本社を集約するケースは少ないので、あまり出番はありませんね」と声をかけてみた。するとこんな答えが返ってきた。「東京にある本社は集約移転しなくてもかまいません。地方でかなりの商売ができますから」。

 地方都市に支店や営業所を設けている大企業は少なくない。事務所を2カ所置いているのは非効率ということで、合併後すぐに集約に取りかかるというのだ。東京の本社は規模が大きく、集約するビルを見つけるのに時間がかかる。その点、支店や営業所は規模が小さいので移転先は見つけやすく、容易に集約を実行できる。別の大手オフィス家具メーカーは、ある製薬会社の合併による地方都市のオフィス集約で、合計数億円を売り上げたという。

 「本社の移転より、地方支店の移転のほうが利益を上げやすい」と営業担当者は明かす。本社の場合、外部の専門コンサルタントなどが移転計画に関与して、コストを削減するケースが多い。地方支店の移転では、そこまでやる企業は少ないので、高い利益率が期待できるというわけだ。

(高橋 敏雅)