竣工時点で満室という大規模ビルが多くなった。まもなくオープンする丸の内北口ビルディング、明治生命安田ビルは、満室でスタートすることが明らかになっている。正式名称が日本橋三井タワーに決まった室町三井新館は、2005年7月に完成するにもかかわらず、すでに東レ、中外製薬など全フロアでテナントが決まった。

 大規模な新築ビルの好調さばかりが目に付くが、中小規模の新築でも好調なビルはある。最近、1フロアを自由に区割りして賃貸できることを売りにしているビルがみられる。ビルのマネジメントが難しくなりそうだが、10坪以下から150坪程度まで対応できる柔軟さが受けて、テナント確保も順調のようだ。

 あるオフィス仲介会社の営業担当者は「新築オフィスビルの付置義務住宅で、入居希望者が多い物件がある」と話す。住宅と言っても、オフィス利用を当て込んでいるのだ。

 都心部で建設中のあるオフィスビルは、高層階が付置義務住宅になっている。実際には法令違反だが、オーナーはこっそりとオフィスとしての利用も認めてテナントを募集している。仲介会社によると、低層部分のオフィスフロアより、上層階の住宅の方がオフィステナントを誘致しやすいという。都心部にあって、立地は抜群だ。躯体などの基本的なスペックはオフィスフロアと同じだが、1坪当たりの賃料はオフィスフロアより1万円程度安い。おまけに、このビルでは、住宅フロアの方がオフィスよりも眺望が良い。仲介会社の営業担当者曰く、「隠れた人気物件になっている」。

(徳永 太郎)