「このあいだ沖縄に行ってきたんだ。知り合いの社長に、『まだ行ってないの?ファンドマネジャーとして問題じゃない?』と言われたんだよね。話には聞いていたけれど、ホテルが次々に買収されているのを見て驚いたよ」。ある会社の投資責任者からこんな話を聞いたのは、1年以上も前のことだ。いつまで続くだろうとみていたが、今のところ投資がとぎれそうな気配がない。

 コンサルティング会社のKPMG FASが、1998年~2006年の既存リゾートホテルの売買件数を県別にまとめたところ、北海道が25%を占めて1位になった。沖縄は11%で2位だ。しかし、ファンドマネーが流れ込んだ2002年以降に限れば、新規開発も多く、注目度では沖縄がナンバーワンだろう。

 つい先日も、ゼクスの子会社が豊見城(とみぐすく)市内の土地6万8000m2を30億円で取得し、観光客向けの商業施設やホテルを建設することを明らかにした。ゼファーは大和地所とともに、糸満市内の土地5万4800m2を16億円強で取得した。ホテルやコンドミニアム、オフィスビルを建設する。開発の波は沖縄本島にとどまらず、さらに南方の宮古島や石垣島にも押し寄せているという。

 ホテルのキャパシティが増えて宿泊の選択肢が広がることは、観光客にとっていいニュースだ。ただ問題は、“行きたい時にそこに行く手段を確保できるか” だ。この年末年始、私は初めてハワイに行ったのだが、ホテルの確保よりも帰国便の席の確保に一苦労した。ようやく押さえることができたのは、元旦の早朝便だ。ニューイヤーの余韻に浸ることなく日本に舞い戻った。これでは旅行をあきらめる人も多いはずだ。

 同じく海に囲まれた沖縄も、飛行機の発着便数がボトルネックになるとの懸念が浮上している。2004年8月に発着した便の平均利用率は75%だった。しかし空港の発着枠いっぱいまで増便しても、2010年には8月の平均利用率が80~85%に上昇すると予想されている。この水準になると、予約を取ることが難しくなってくるという。観光客の増加に歯止めがかかるのに、ホテルの客室数は増え続ける――。こんな事態にならないことを祈りたい。

三上 一大