秋葉原の「ロケット1号店」が閉店した。JR秋葉原駅から徒歩1分、中央通りに面する角地に建つこの店舗は、テレビなどが秋葉原の番組を制作するときに、秋葉原を象徴する建物として便利に使っていた場所だ。無くなってしまうのは悲しいが、テレビが次に秋葉原の象徴として使うビルの写真は何だろう? 勝手に予想してみた。

 まず、最初に思い浮かべたのが、秋葉原クロスフィールドだ。

 10年近く前、パソコン雑誌の記者をしていた自分にとって、秋葉原は東京の電気街であり世界のパソコン街だった。まさか、こんな巨大なオフィスビルができるなんて夢にも思わなかった。正直に言うと、このクロスフィールドを見たのがここ最近で一番度肝を抜かれた出来事だった。

 駅から至近であの巨大な容姿。新しい秋葉原の建物として、十分な存在感があり、テレビが使いそうだ。しかし「秋葉原=電気街」というイメージからは遠い。むしろ「秋葉原=未来的オフィス街」という意味合いとして使われると思う。

 “電気街”の象徴としては、9月に竣工する「市川・カンブンドー・ヤマギワ共同ビル」を挙げたい。ソフマップの入居が決まっており、「秋葉原=電気街」のイメージを色濃く出せる。

 さて、面白いことに、この二つの建物は中央通りから一緒に撮影できる。中央通りの向かいから市川・カンブンドー・ヤマギワ共同ビルを撮影すると、バックには秋葉原クロスフィールドがそびえ立つという構図になる。古くからある電気街と未来的オフィス街の二つのイメージを同時に出せる面白い構図だ。まったく個人的な予想だが、この構図の中に新しい秋葉原の象徴があると思う。

田村 嘉麿