都心の大規模な優良オフィスビルは、ほとんど空室がない状態が続いている。ある程度の規模を持った企業は移転しようと思ってもできない状態で、日経不動産マーケット情報が配信する記事の数も少なくなりがちだ。ニュースを拾おうと移転情報に詳しい取材先を訪ねても、大型の移転が少ないので情報交換は早々に終わり、後半は雑談モードになることが多い。

 そんななかで会話が盛り上がるのが、タイトルに挙げた「横浜と臨海副都心、移転するならどちらがお勧めか」というテーマ。どちらのエリアも都心の半分以下の賃料で入居することができ、数千坪単位のまとまったスペースを確保しやすい。横浜駅周辺は開発ラッシュで、大手不動産会社の試算では、2010年までに約50万m2のオフィスが完成すると見込まれている。これから実際に増えそうな現実味のあるテーマということで、議論も熱くなる。

 ある取材先は「臨海副都心は、外資系企業に意外と人気がある」と話す。都心では望めない、海に開けた眺望を評価する外国人が多いという。「A社は都心にいなくても困らない業務内容だから横浜に移ってもらって、その後にオフィスを集約したがっているB社を……」と、勝手に移転の玉突きを仕組み出す取材先もいる。取材先の担当者同士で、通勤の便や賃料負担などを熱心に比較し出すこともある。

 どちらがお勧めか、結局、結論は出たことがない。今のところは一長一短、五分五分だということだろうか。横浜や臨海副都心への移転によってうまく業績を伸ばす企業が出てくれば、都心部のオフィス市況にも影響を与えることになるだろう。今後、注目して移転情報を追いかけていきたい。

岡 泰子