不動産投資ファンドの投資対象エリアは年々、地方圏の割合が高まっており、この傾向は今後も加速する――。住信基礎研究所は1月に発表した「不動産プライベートファンドに関する実態調査 2006年」のなかで、このような結果を明らかにした。

 ファンドの投資対象エリアは、関西と地方都市で全体の55%を占めた。前年の調査結果に引き続き、地方の割合が東京圏を上回った。2004年に約半数を占めていた東京都内の割合は、2006年には8%にまで減少している。今後1年以内に組成が予定・検討されているファンドをみても、地方圏への投資割合が増加している。

 ファンド運用会社の代表的なファンドの平均目標規模は614億円で、前年調査の333億円から大幅に増加した。住信基礎研究所は、2006年に1000億円を超える大型のファンドが相次いで組成された影響が大きいとみている。LTV(借入比率)の平均は、前年の68.6%から71%に上昇した。一方、目標IRR(内部収益率)は約11%と前年から横ばいとなっており、利回り確保が厳しい市場環境をうかがわせる。

 ファンドの出口戦略にも変化がみられた。不動産投資信託(REIT)との利益相反に対する投資家の関心が高まっていることを背景に、「J-REIT成り・自社REITへの売却」が上位から姿を消した。「外部のファンドに売却」が最も多く、次いで「自社の後続ファンドに売却」となった。今後、ファンド運用会社が生き残っていくために必要な戦略では、「コンプライアンスの充実」「物件取得力の強化」「運用能力の向上」が上位を占めた。

 住信基礎研究所では、不動産プライベートファンドの市場規模も推計している。2006年12月末時点の規模は約6兆1000億円。REITも含めると11兆5000億円に達する。前年同期に比べて、プライベートファンドは1兆7000億円増、REITとの合計では3兆7000億円増となった。

 不動産プライベートファンドに関する調査は毎年実施している。不動産ファンドを運用する121社を対象にアンケート調査を実施し、34社から回答を得た。