REIT(不動産投資信託)運用会社の報酬率は対分配金の平均で14%、オフィス系REITに比べて住宅系の報酬水準が高い傾向にある――。ニッセイ基礎研究所がまとめたレポート「J-REITの資産運用報酬を考える」のなかで、このような結果が明らかになった。

 運用会社の報酬は賃貸収益や資産残高などに連動するもののほか、物件の取得・譲渡時にも発生する。項目の定義や料率は各社で異なっており、投資口価格に連動するインセンティブを導入しているところもある。レポートでは、上場40社のうち2期以上の決算実績がある26社について、決算データから把握した報酬水準を比較した。対分配金でみた各社平均の報酬率14%とは、資産運用で生み出された最終利益を100とした場合、この利益を投資家86%、運用会社14%の割合で分け合ったことを意味する。

 運用報酬額では資産規模が大きいREITが上位を占め、日本リテールファンド投資法人の運用会社は年間20億円を超えた。対分配金による報酬率が最も高かったのは、東急リアル・エステート投資法人の運用会社だ。最も低かった森トラスト総合リート投資法人の運用会社と比べると約4倍の開きがあった。東急リアル・エステート投資法人は、期間中に投資口価格が上昇したことによるインセンティブ報酬の影響が大きい。

 各REITによって資産額や資産取得状況に違いがあるため、資産規模2000億円のモデルファンドを設定したうえで、ここに各社の報酬体系をあてはめた試算結果も掲載した。運用資産の用途別にみると、住宅系のREITの報酬率が高い傾向にある。ニッセイ基礎研究所では、ファンド規模や1物件あたりの規模が小さいことなどが影響しているとみている。

 レポートでは、投資家が運用報酬の多寡だけでなく、スポンサー企業との利害関係取引の内容や運用会社のコスト構造などに広く関心を持つことの重要性も指摘している。調査レポートは3月8日以降、ニッセイ基礎研究所のウェブサイトに掲載する予定だ。