渋谷パルコ・パート2
渋谷パルコ・パート2

 パルコは2007年8月、渋谷区宇田川町にある「渋谷パルコ・パート2」の営業を、2007年末をめどに一時休止すると発表した。賃借している仁愛ビルの耐震強度が不足しているためで、出店している12のテナントは、渋谷地区にある別のパルコ店舗などに移転する方向で調整している。

 仁愛ビルは1975年に完成した店舗ビルで、医療法人仁愛会が所有している。SRC造、地上7階地下1階建て、延べ床面積5180m2の規模だ。完成以来、パルコが地下1階から地上6階までを賃借して営業を続けてきた。2004年にパルコと仁愛会が共同で、ビルの元施工者である大成建設に依頼して耐震診断を実施。その結果、現在の耐震基準に比べて強度が不足しているとの結果が出た。

 パルコはこの診断結果に基づいて2006年3月、仁愛会に耐震補強工事を実施するよう依頼した。これに対して仁愛会は2006年末、別の機関が実施した調査結果を基に、ビルのコンクリート圧縮強度が著しく低く、完成当初から建築基準法に違反していた疑いがあるとして、ビルの建て替えを前提とする協議をパルコと大成建設に申し入れていた。

 協議が難航して耐震対策を実施するめどが立たないことから、パルコは営業の休止を決めた。仁愛会は今後、コンクリート強度の本格的な調査などを実施し、対応策を協議していく考えだ。