2007年に本誌がウェブサイトに掲載した約1400本のニュース記事やコラムを対象に、アクセス数(読者が記事を呼び出した回数)を集計したところ、長島・大野・常松法律事務所の田中俊平弁護士へのインタビュー記事が1位となった。この記事は、金融商品取引法が特別目的会社(SPC)を使った投資スキームに与える影響を解説したものだ。2位には、ダヴィンチ・アドバイザーズのSPCが賃料の増額を要求して、新宿マインズタワーのテナントを提訴した記事が入った。ベスト50は下の表の通りとなっている。2007年1月1日~2008年1月4日を集計期間とした。

 1位のインタビュー記事は、7回にわたった連載企画の最終回にあたる。金融商品取引法の施行間もない時期に掲載したこともあって、1万9000を超えるアクセスがあった。2位となった新宿マインズタワーの記事は、都心部のオフィスビルを中心に賃料増額交渉が活発に進んでいる状況を反映して高いアクセスを記録した。

 大型の売買に関するニュースでは、不二家が本社ビルを135億円で売却した記事が11位となった。このほか、12位の三菱地所グループの日本テレビゴルフガーデン跡地落札や、23位の興和不動産による東京スター銀行本店などの取得、36位の三菱地所の麹町にある大使館敷地の取得などが目に付く。大阪・御堂筋の伊藤忠ビルをモルガン・スタンレーが約320億円で取得した記事は41位だった。下の表には入っていないが、森トラストとダヴィンチが虎ノ門パストラルの優先交渉権を約2300億円で取得した記事は51位となっている。

●2007年のウェブアクセスランキング
(集計期間2007/1/1~2008/1/4)
順位 アクセス数 記事タイトル(発信月日)
1 19,358 金融商品取引法の施行でSPCを使った投資スキームはどう変わるか/長島・大野・常松法律事務所の田中俊平弁護士(10.10)
金融商品取引法の施行によって、SPCを活用した不動産投資も規制を受ける。法律ではSPCにも業者登録が求められるので、これを避ける ために投資スキームの変更が必要となるケースもある。不動産投資ビジネスの関係者が知っておくべき基本的なポイントを、長島・大野・常松法律事務所の田中 俊平弁護士に聞いた。
2 13,538 新宿マインズタワーのテナントを提訴、ダヴィンチが賃料増額を要求(9.7)
渋谷区代々木2丁目のオフィスビル、新宿マインズタワーで、ファンドの資産としてビルを運用しているダヴィンチ・アドバイザーズが、賃料の増額を求めて一部のテナントを提訴していることがわかった。原告はダヴィンチ・アドバイザーズなどが設立したSPCの有限会社新宿マインズタワー。 2007年8月時点では、JR東日本メカトロニクス、JR東日本パーソネルサービス、トレンドマイクロなど、少なくともテナント6者と係争中だ。
3 13,522 東京駅前でサピアタワーが竣工、オフィスフロアは12社で満室に(3.8)
JR東京駅前で3月8日、Sapia Towerが竣工した。東日本旅客鉄道とジェイアール東日本ビルディングが建設を進めていたビルで、賃貸オフィス部分は石油資源開発、バイオ医薬品のアムジェンなど12社で満室となっている。3月半ばからオフィステナントの入居が始まり、低層部の店舗が4月に開業する予定だ。
4 12,706 ダヴィンチ・セレクトに証券取引等監視委員会が処分勧告、鑑定評価取得の手続き不備で(2.14)
証券取引等監視委員会は2月14日、REITのDAオフィス投資法人の運用会社であるダヴィンチ・セレクトに対して、 行政処分を行うよう内閣総理大臣と金融庁長官に勧告した。不動産取得時に鑑定会社に適切な資料を提示せず、過大に算定された鑑定評価額を基に投資法人の資 産取得を行っていたことが善管注意義務に違反したとみなした。
5 12,638 横浜・みなとみらいで延べ床8万m2超の本社ビルを建設、CSKホールディングス(10.19)
CSKホールディングスは10月19日、横浜・みなとみらい21中央地区43街区の開発事業者に決まったことを発表した。横浜市から7848m2の土地を 約91億円で取得する。1m2あたりの価格は115万円だ。CSKホールディングスは、地上32階地下2階建て、延べ床面積8万4330m2のグループ本 社ビルを建設する。
6 12,591 東京駅八重洲口のツインタワーが10月末に完成、オフィス床はほぼ満室(10.3)
CSKホールディングスは10月19日、横浜・みなとみらい21中央地区43街区の開発事業者に決まったことを発表した。横浜市から7848m2の土地を 約91億円で取得する。1m2あたりの価格は115万円だ。CSKホールディングスは、地上32階地下2階建て、延べ床面積8万4330m2のグループ本 社ビルを建設する。
7 11,854 銀座三越を再開発、新館建設で延べ床約8万m2の規模に(10.10)
三越は、中央区銀座4丁目にある銀座三越の本館・別館と周辺地域の再開発に着手する。本館は改修し、別館跡地に本館とつなぐ新館を建設する計画だ。都市再 生特別地区の制度を活用して、容積率の最高限度を現在の775%から1300%に引き上げる。延べ床面積は合計で約8万1500m2となる。10月3日に、計画案を東京都に提出した。
8 11,561 芝浦工大跡地でオフィス・ホテル・大学の複合開発が着工、2009年4月開業へ(7.6)
芝浦工業大学と新日鉄都市開発、日本土地建物、阪急インベストメント・パートナーズ、戸田建設は7月5日、港区芝浦3丁目にある芝浦工業大学跡地の再開発計画を発表した。7565m2の敷地に、大学施設と賃貸オフィス、ホテルの3棟を建設する。施設全体の延べ床面積は約4万5000m2に及ぶ。総工費は合 計で約140億円。2009年4月の開業を予定している。
9 11,467 シンクパークタワーが10月に開業、オフィスフロアは満室稼働(7.30)
JR大崎駅前で建設中のシンクパークタワーが、10月25日にオープンする。明電舎と世界貿易センタービルディングが建設を進めているビルで、オフィス部分は日本ハムやモトローラなど12社で満室となる。低層部に設けた商業エリアのシンクパークプラザには、飲食店など25店舗が入居する。
10 11,021 丸の内・三菱商事ビルなど跡地開発が着工、ビル名は「丸の内パークビルディング」に(2.2)
三菱地所は2月5日、千代田区丸の内2丁目の三菱商事ビル、古河ビル、丸ノ内八重洲ビル跡地で、複合ビルの建設に着手する。完成は2009年春の予定だ。
11 10,239 不二家、銀座7丁目の本社ビルを135億円で売却(3.13)
12 10,230 三菱地所グループが新宿の日本テレビゴルフガーデン跡地2万6000m2を落札(10.26)
13 10,106 拡大続ける不動産市場(シリーズ第2回)/米国に次ぐ100兆円市場の日本に流れ込む投資マネー(1.10)
14 10,080 109棟、延べ床568万m2の計画が進行、東京の大規模オフィスビル(5.18)
15 10,070 新丸の内ビルディングが竣工、オフィスフロアは満室稼働(4.16)
16 9,805 東京急行電鉄が渋谷駅前の再開発計画を都に提案、オフィス面積約6万3000m2(10.4)
17 9,796 近鉄が大阪市に高さ日本一の300m高層ビルを建設(8.9)
18 9,651 梅田の大阪富国生命ビルを高層に建て替え(11.6)
19 9,473 東京建物が京橋3丁目の土地3700m2を取得、オフィスビル建設へ(2.13)
20 9,177 ソニーが大崎に延べ床約10万m2の新オフィスを建設(8.31)
21 8,894 今後5年で52万m2のオフィス開発、三井不動産が長期経営計画を発表(5.10)
22 8,448 銀座の竹中工務店東京本店跡地で延べ床4万8000m2のオフィスビル建設、住友不動産(3.20)
23 8,425 興和不動産、223億円で溜池の東京スター銀行本店など4物件を取得(9.14)
24 8,388 城山MTビルを取得、AIGグループの特別目的会社(6.1)
25 8,141 アジア・パシフィック・ランドのREITがシンガポールで上場、日本の商業施設に約650億円投資〈追加情報あり〉(10.25)
26 8,073 拡大続ける不動産市場(シリーズ第1回)/年69兆円超が世界の不動産に(1.9)
27 8,057 拡大続ける不動産市場(シリーズ第3回)/投資利回り低下に懸念の一方、投資家の強気を支える賃料上昇(1.11)
28 8,004 鹿島の新本社ビル2棟が完成、本社機能を集約してオフィス床を3割削減(7.19)
29 7,905 アーバンコーポレイションが改修した旧損保ジャパン青山ビルを取得、アルファ・トラスト(6.20)
30 7,602 西新宿の新宿スカイビルを156億円で売却、国際航業(1.26)
31 7,555 クレッシェンド投資法人の筆頭投資主にモルガン・スタンレー、物件交換で900億円規模に(5.22)
32 7,531 拡大続ける不動産市場(シリーズ第4回)/世界的な制度普及でREITも国際競争時代に(1.12)
33 7,517 英有名建築家が設計した水道橋のセンチュリータワー、住友信託銀行グループが取得(7.13)
34 7,355 ジョイント・リート投資法人、取得から1年足らずでb6売却(7.6)
35 7,324 連載・第1回  「金融商品取引法」の適用対象となる「金融商品」とは何か?(10.1)
36 7,316 三菱地所が麹町の大使館敷地を約630億円で取得、延べ床4万6000m2のビル建設へ(7.17)
37 7,241 1000億円以上の大型不動産取引が過去1年間で急増、本誌調べ(10.9)
38 7,170 日テレ通り沿いの土地約2000m2を取得、アクロス(6.29)
39 7,131 東亜建設工業が四番町の本社ビルを売却へ(11.15)
40 7,098 東京ミッドタウン前の6物件をアデッソから取得、ペンブローク(8.30)
41 7,042 大阪・御堂筋の伊藤忠ビルを約320億円で取得、モルガン・スタンレー(3.23)
42 6,955 青山通り沿いに延べ床1万m2超のオフィスビル、東急不動産が建設(1.12)
43 6,952 原宿・竹下通りの土地を推定100億円弱で取得、有限会社エフ・ビー・イー(5.7)
44 6,938 ゴールドマン・サックスのファンドがヨドバシカメラ新宿東口店を取得(11.16)
45 6,864 ダヴィンチがTOCの資金調達計画に異議、自社による新株引き受けを提案(5.11)
46 6,845 都心のオフィス成約賃料は2009年以降に横ばいに、日本不動産研究所などが今後10年を予測(3.6)
47 6,764 アトリウムが銀座5丁目の土地を売却(2.27)
48 6,757 1437億円で中野警察大学校の跡地を取得、東京建物と昭栄(6.29)
49 6,751 東京ミッドタウン前の開発用地約1000m2を売却、ランドコム(11.30)
50 6,579 アトリウムが恵比寿駅前のビル2棟を取得、セント・グランデ取得の隣接地と一体で建て替え(10.12)