日経不動産マーケット情報6月号には、恒例企画の「これからできる大規模オフィスビル」を掲載しています。東京23区で2008年以降に完成する延べ床面積1万m2のオフィスビル計画を、見開きの地図上に示しました。本誌の調査によると、東京23区では122棟、延べ床面積665万m2の大規模オフィスビル計画が進行しています。これは新丸の内ビルディングの約34棟分に相当します。

 2008年に完成するオフィスビルの総延べ床面積は71万m2と、2007年の半分以下の水準しかありません。ただし、2009年~2012年は毎年、100万m2以上のビルが完成する予定です。都心部では賃料が高水準にあるビルの空室率が上昇傾向にあるものの、オフィスビルの需給はひっ迫しています。2009年以降には、こうした状態もある程度、解消されていくことでしょう。

 大規模ビル調査の詳細なデータを収録したCD-ROMも販売しています。CD-ROMにはこれから完成する大規模ビル一覧のほか、横浜市内の主要オフィスエリアのオフィス計画や、今後、オフィス開発が見込まれる土地などの特典データも盛り込みました。

 6月号では、2008年1月~3月の売買事例を分析した記事も読みどころのひとつです。この期間に集めた売買事例数は、昨年同期比で約2割減少しました。特に、REIT(不動産投資信託)による住宅取得が大幅に減少していることがわかりました。一方で、国内不動産会社などによる海外不動産への投資が活発になっています。分析記事では、三菱地所による米アリゾナ州フェニックスのオフィスビル取得など、2007年以降の主な海外不動産の取得、開発事例を一覧できます。

 売買レポートは、銀座、六本木、新橋、渋谷といった都心部の取引など23事例を掲載しました。オフィス移転・賃料調査は港区の動向をお伝えしています。ダイジェストには新宿・日本テレビゴルフガーデン跡地の開発概要や、豪REITのルビコン・ジャパン・トラストがデフォルトの危機を迎えていることを伝える記事など、本誌ウェブサイトが4月に配信した記事のなかから読者の関心が高かったものをまとめました。

 本誌ウェブサイトでは、連載企画にも読者の方から高いアクセスをいただいています。最近では、「不動産実務と金融商品取引法」、「図表で見る不動産市場への海外資金流入と今後のシナリオ」を連載しました。いずれも、読者でない方もお読みになれますので、ぜひ、ご覧ください。

徳永 太郎