2010年第3四半期を境に、募集賃料水準が下げ止まりの傾向を示すエリアが増えている。大きく下落した2009年の賃料と比較すると、2010年前半の各エリアの賃料は落ち着きを取り戻した。
新宿・渋谷・池袋エリアの募集賃料は、2010年第4四半期に前年同期を上回った。いずれもターミナル駅を抱える立地であり、街の集客力が安定しているうえ、多様な業種が集積している。特に新宿エリアは公募件数も減少しており、ほかのエリアよりも市況が回復していると言える。
ブランド店が賃料相場を形成している銀座エリアは、2010年前半こそ賃料水準は横ばいで推移していたものの、2010年第4四半期には再度、下落している。一方、表参道エリアは募集賃料の減少が続いていたが、第4四半期には上昇した。ラグジュアリーブランドの出店意欲も低いことから、両エリアとも賃料上昇には時間を要すると考えられる。
銀座 | 表参道 | 新宿 | 渋谷 | 池袋 | ||
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募集賃料(円/坪) | 1F | 45,489 | 40,956 | 47,407 | 33,663 | 20,102 |
1F以外 | 24,739 | 27,061 | 21,009 | 21,138 | 17,463 | |
平均 | 28,141 | 32,564 | 25,233 | 23,249 | 17,952 | |
募集件数 | 549 | 866 | 650 | 1,276 | 874 |
【注】本レポートは、公募されている店舗系賃料情報に、個別のリーシング情報、伝聞賃料情報などを加え、主要エリア別の店舗賃料トレンドとして整理したものである。データについては、スタイルアクトとビーエーシー・アーバンプロジェクトが共同開発したマーケットデータシステムReReM(リリム)によるもので、地域別、時期別に収集、分析している。公募賃料はオンライン上で公募されている店舗系賃貸物件情報で、物件により共益費を含むケースと含まないケースがあるため、ここでは別途徴収している共益費を全サンプル数で除した平均値(月坪約1千円)を加算し、共益費込賃料として合計している。 ReReM(リリム)の詳細はスタイルアクト、もしくはビーエーシー・アーバンプロジェクト(下記関連リンク)まで。