2011年第4四半期には、銀座、新宿、渋谷の3地区で1階の平均募集賃料が前期調査から下落した。特に銀座は、リーマンショック以降の最安値を記録している。

 これらの地区では、メーンストリート沿いの賃料水準の高いエリアで成約が進んでいる。下の表には出ていないが、銀座・表参道沿いの店舗の成約賃料は1坪あたり10万円を超えており、メーンストリートの需要は依然として堅調だ。ただ、メーンストリートから外れた賃料水準の低い裏手エリアでは1階でも空室が目立ち、募集件数も増加している。賃料水準の低い店舗の募集事例が中心となったことから、各エリアの平均募集賃料が下落する結果となった。

 一方、池袋地区では賃料水準の高いエリアで空き店舗が目立ち始めた。この結果、1階の平均募集賃料が前期比123%の水準に跳ね上がっている。

 2011年10月、銀座の阪急百貨店が若者向けの阪急MEN'S TOKYOに業態変更。同月には、有楽町西武店の跡地にLUMINEが進出するなどの動きも見られた。しかし、それ以外では、大型店舗の開業はなかった。2012年春には、渋谷ヒカリエや東急プラザ 表参道原宿など新規商業施設が開業する予定だ。


  フロア区分 銀座 表参道 新宿 渋谷 池袋
募集賃料
(円/坪)
全フロア 26,304 28,572 24,039 22,031 20,891
1F 43,950 41,069 32,456 33,830 36,514
1F以外 23,512 22,408 21,800 20,337 18,705
公募数 全フロア 401 426 228 295 160
1F 61 154 43 39 16
1F以外 340 272 185 256 144
スタイルアクトが提供するReRemによる集計

ビーエーシー・アーバンプロジェクト


※2011年第1四半期の調査から対象エリアを以下のように変更しました。
対象範囲を商業集積地に絞ったため、より実態に近い値になりました。

【注】本レポートは、公募されている店舗系賃料情報に、個別のリーシング情報、伝聞賃料情報などを加え、主要エリア別の店舗賃料トレンドとして整理したものである。データについては、スタイルアクトビーエーシー・アーバンプロジェクトが共同開発したマーケットデータシステムReReMリリムによるもので、地域別、時期別に収集、分析している。公募賃料はオンライン上で公募されている店舗系賃貸物件情報で、物件により共益費を含むケースと含まないケースがあるため、ここでは別途徴収している共益費を全サンプル数で除した平均値(月坪約1千円)を加算し、共益費込賃料として合計している。ReReMの詳細はスタイルアクト、もしくはビーエーシー・アーバンプロジェクト(下記関連リンク)まで。