東京証券取引所第2部上場のノエルは10月30日、東京地方裁判所に破産手続きの開始を申し立て、手続き開始が決定した。負債総額は414億円だ。東京証券取引所は11月15日に同社の上場を廃止する。子会社でプロパティマネジメント事業を手がけるENRも同日、破産手続き開始が決定した。

 ノエルは1969年設立のマンションデベロッパーで、2007年8月には東証第2部へ上場した。マンション分譲事業だけでなく、不動産ファンド向けの物件開発、商業施設ファンドの組成などの事業にも進出し、2007年8月期には年間の連結売上高が約804億円に達した。しかし、マンションの原材料価格の高騰、顧客の買い控え、金融機関による融資の厳格化が進んだことで経営が悪化、2008年8月期には連結売上高が686億円に下落する見込みだった。ノエルは不動産の売却による棚卸資産の圧縮に加えて、資本提携による事業基盤の立て直しなどを模索してきた。結局は実現できず、借入金の返済遅延、税金の未払いなど資金繰りが悪化し、破産を決断した。