ダイナシティは10月31日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。負債総額は520億7700万円。今後、再建に向け、スポンサー探しを進めていく。

 同社は1994年設立のマンションデベロッパーだ。東京を中心に、単身者やDINKS(子供のいない共働き夫婦)向けのコンパクトマンションを供給してきた。2001年にはJASDAQ市場に上場。不動産投資市場の拡大を受けて、不動産に付加価値を付けて転売する不動産ソリューション事業にも乗り出した。連結ベースの売上高は2006年3月期で626億円、2007年3月期で603億円となっていた。

 しかし急激な金融環境の変化で、不動産ソリューション事業の売り上げが大幅に減少。8月に、同事業からの撤退とコンパクトマンション販売事業への特化を決めたものの、保有物件の売却が進まず、金融機関からの融資も滞ったことから、資金繰りに行き詰まった。

 なお、インボイスグループは2006年12月に同社を連結子会社としている。今回の民事再生手続きを受けて、インボイスはダイナシティ株の評価損や、ダイナシティへの融資に対する貸倒引当金相当額を特別損失として計上する予定だ。