クリードは1月9日、東京地方裁判所に会社更生手続きを申請し、受理されたことを明らかにした。負債総額は約650億8100万円だ。同社は東京証券取引所第1部に上場しており、2月10日に上場廃止となる予定だ。

 クリードは1996年に設立、不動産投資やデューデリジェンスを手始めに、アセットマネジメントや不動産ファンド運用などへ事業を拡大した。国内だけではなく、ドイツや韓国に投資エリアを広げた。2006年3月にREIT(不動産投資信託)のクリード・オフィス投資法人を上場させ、同年11月には旗艦ファンドである「クリード・リアル・エステート・パートナーズ」(CREP)を組成した。CREPは、欧州や中東、アジアの大手年金基金、政府系投資機関、金融機関などを顧客に、出資総額約565億円に達している。

 サブプライムローン問題が顕在化し、不動産市況が悪化したことを受けて、クリードは保有不動産を売却し、200億円以上の有利子負債を削減。2008年11月には希望退職者を募るなど人員削減も進めてきた。それでも資金繰りに窮し、今後の債務返済の見通しが立たないことから、会社更生手続きを申請するに至った。2008年5月期には連結ベースで売上高423億円、純利益27億7400万円を上げていたが、2009年5月期の第1四半期決算では純利益が2億9300万円の赤字になっていた。

 なお、クリードは2008年12月に、クリード・オフィス投資法人の運用会社であるクリード・リート・アドバイザーズ(本社:千代田区)の株式を、いちごアセットトラストに譲渡している。クリード・リート・アドバイザーズは、「ジャパン・オフィス・アドバイザーズ」に名称を変更済みだ。いちごアセットトラストはクリードの筆頭株主で、株式19.6%を所有している。