約9割の個人投資家が、現在の不動産マーケットを買い時とみている――。仲介会社の野村不動産アーバンネットは、投資用不動産サイト「ノムコム・プロ」の会員を対象に、5月に行った調査の結果を発表した。

 ノムコム・プロの会員数は約1万6500人で、このうち761人がアンケートに回答。その中で52%が「今が買い時だと思う」、38%が「間もなく買い時が来ると思う」と判断しており、合わせて9割近くの回答者は投資に前向きな見方を示した。また、物件価格については、約2割が「すでに底を打っている」と回答し、約5割が「半年以内」または「1年以内」で底を打つと予想している。

 回答者のうち、投資物件の保有者は401人いた。その半数がサラリーマンで、平均年齢は46歳、年収1000万円以上が半数を占める。複数回答式で保有物件を聞いたところ、マンションの区分所有権が56%と最多だったが、一方でアパートを一棟まるごと所有する回答者が36%、マンション一棟の所有者が31%もいた。また、オフィスビルや店舗のオーナーは14%を占めた。

 今後の購入意向は都心回帰、立地重視がポイントのようだ。投資したい物件のタイプは、マンションの一棟買いが最多の54%で、続いてアパートの一棟所有が48%、マンションの区分所有権が42%となった。物件予算は5000万円以上1億円未満が30%で最も多い。希望するエリアを複数回答制で尋ねたところ、都心5区が46%、その他23区が55%となり、次いで横浜・川崎地区が36%と多かった。

 不動産投資を始めた理由は、大多数が「安定した副収入」のため。現時点の総投資額は1億円以上が39%を占め、3000万円未満が25%だった。購入資金の調達方法を尋ねたところ、保有者の50%が自己資金は3割以下と答えた一方で、19%が全額キャッシュで、17%が全額ローンで購入している。

 今後の不安要素は、空室リスクが29%と一番だった。続いて老朽化・修繕対策が23%、賃料の下落は13%となっている。


※記事中の数字は小数点以下を四捨五入して表記した。