日本政策投資銀行は、環境や社会への配慮に優れたビルを認証する「DBJグリーンビルディング認証制度」を創設。第1号案件である三菱地所の「丸の内パークビルディング・三菱一号館」に、最上位のプラチナ認証を付与した。収益性以外の視点でビルを格付けし、省エネ性や安全性、快適性などを備えた高品質なビルが増えていくことを支援する。

三菱パークビルディング・三菱一号館(写真:尾関弘次)

 認証には、独自開発したスコアリングモデルを使う。58項目の設問を基に点数を算出し、「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の4段階の認証を与える。条件を満たさないビルは対象外となる。評価内容は、省エネ性などを問う「エコロジー」、耐震性や防犯性、利便性などを問う「リスクマネジメント&アメニティー」、テナントとの連携やバリアフリー性などを問う「コミュニティー&パートナーシップ」の大きく三つに分かれている。それぞれ100点満点で合計300点が基本だ。これらの評価軸に当てはまらない優れた取り組みには「イノベーションポイント」を付加する。

DBJグリーンビルディング認証制度の評価イメージ(資料:日本政策投資銀行)

 広場や美術館などを備えた丸の内パークビルディングは、環境・防災・防犯性能に加えて、文化やゆとりが高く評価された。テナントと連携した環境活動も最上位認証の評価根拠となっている。

 認証制度の対象は、政投銀の取引先である顧客のビルに限る。費用は無料だ。当面は、オフィスを主用途とする不動産を対象として認証する。賃貸ビルでも自社ビルでも構わないが、延べ床面積2000m2以上を評価対象の目安としている。運用中のビルだけでなく、計画段階のビルも認証できる。

 ビル事業者は、認証を社会やテナントへのアピール材料として利用することができる。将来は認証取得が資金調達に有利に働くような仕組みにすることを想定しているが、当面は金利優遇などの措置には結びつけない。認証は1年ごとに見直すので、取り組み次第では評価ランクの格上げも可能だ。政投銀は年間50件くらいの認証を目標としている。

 評価項目の詳細やランク獲得に必要な点数などは公表していない。認証制度の考案に先立って約100棟のオフィスビルで試行したところ、プラチナ評価は5%以下だった。認証の対象外と判定されたビルが約半数を占めた。

<ビルの概要>
名称:丸の内パークビルディング・三菱一号館
所在地:東京都千代田区丸の内2-6-1(住居表示)
最寄り駅:地下鉄二重橋前駅、JR・地下鉄東京駅
面積:土地約1万1931.79m2、延べ床約20万4729.92m2
用途:事務所、店舗、美術館、駐車場など
構造、階数(地上/地下):SRC・S造、34/4(三菱パークビルディング)、3/1(三菱一号館)
駐車場:282台
事業主:三菱地所
設計者:三菱地所設計
施工者:竹中工務店
工期:2007年2月~2009年4月

PAL低減率:35.97%、ERR:31.97%
太陽光発電容量:60kW
総緑化面積の敷地面積に対する割合:21.79%
実際の稼働条件を想定したエネルギー消費量原単位:1893MJ/m2・年
CASBEE:自主評価でSランク相当