不動産証券化協会の岩沙弘道会長(三井不動産社長)
不動産証券化協会の岩沙弘道会長(三井不動産社長)

 不動産証券化協会(ARES)は、不動産証券化手法を用いた震災復興支援を検討する。2011年度事業計画の重点課題の一つとして掲げた。

 導入可能性や問題点は、今後の検討のなかで明らかにしていく。ARESの岩沙弘道会長(三井不動産社長)は4月28日に開いた会見で、社会資本整備に民間資金を活用するPFI法の改正法案や規制の特例を認める総合特別区域法案が、震災復興や日本再生に不可欠だとして、国会での早期の成立に期待を込めた。

 東京証券取引所が、組成の働きかけや上場を支援すると表明した復興関連REIT(不動産投資信託)についても見解を述べた。先にREITをつくるというより、PFIやPPP(官民連携)を進めた結果、組成されるものだとの考えだ。

 ARESはJ-REIT創設10周年を迎えて、時価総額10兆円の早期実現をめざしている。そのためには、優良物件の供給や投資対象の多様化が欠かせない。多様化の候補として、ヘルスケア施設やインフラなどを挙げている。


■ARESの「2011年度事業計画」重点課題
(1)不動産投資・証券化市場の次なる10年の成長に資する政策提言
(2)震災後の不動産投資市場に関する国内外への適切な情報発信、不動産証券化を通じた復興支援策の検討
(3)J-REIT10周年を契機とした個人投資家向けの普及活動
(4)国内外の機関投資家向けの投資インフラ整備活動
(5)投資適格不動産の供給増加や運用資産の多様化に向けた啓蒙活動
(6)マスター資格の地位向上とグローバル人材の育成