オリックス劇場外観完成予想図(資料:オリックス不動産)
オリックス劇場外観完成予想図(資料:オリックス不動産)
オリックス劇場内観完成予想図(資料:オリックス不動産)
オリックス劇場内観完成予想図(資料:オリックス不動産)

 オリックス不動産(本社:港区)は2012年4月、大阪を代表するホールである大阪厚生年金会館の大ホールを「オリックス劇場」としてリニューアルオープンさせる。オリックス不動産が90%出資する大阪シティドーム(本社:大阪市)が運営を担当する。現在、大阪シティドームは京セラドーム大阪を運営している。

 大阪厚生年金会館大ホールは、1968年4月にオープンした多目的大ホールだ。地上5階地下1階建て、延べ床面積約1万1200m2、客席数2400の規模を持つ。オリックス不動産は2009年10月に、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構による一般競争入札で落札した。落札価格は36億円だった。

 リニューアルは、建物の安全性・耐久性の向上、クラシック音楽にも対応する音響空間などの再設計、来場者の快適性の向上の三つを柱とする方針だ。

 安全性・耐震性の向上では、コンクリートの中性化対策を実施し、コンクリートの耐久性を向上させるほか、耐震改修工事を実施。さらに外壁の備前焼きタイルについては、ひび割れや浮きの点検・補修後にセラミックコーティングを施して保全する。

 音響空間の再設計では、サントリーホールや東京芸術劇場などの音響空間を設計した永田音響設計の監修の下、天井形状を変更し、音の反射板を更新する。空調の消音対策として空調ダクトも全面更新する。旧ホールは歌謡曲向けの設計になっており、クラシックのコンサートでは、客席に対し十分に楽器の音が響かなかったという。

 快適性の向上では、利用者から要望の多かったエレベーターを3基新設する。旧施設には、エレベーターが1基も無かった。またトイレを増設する。客席については座面を張り替えるほか、プレミアムシート57席とVIPシート10席を新設。さらに車いすの来場者の席を1階に12席を新設し、1階にあるロビーから段差なく入場できるようにする。