今後の不動産ファンドビジネスへの取り組み意向(資料:国土交通省)
今後の不動産ファンドビジネスへの取り組み意向(資料:国土交通省)

 不動産会社の半数が不動産ファンドビジネスを拡大しようとしているのに対し、金融機関の半数は現状維持する考えを持っている――。国土交通省が2012年5月に発表した「不動産投資市場の活性化に関するアンケート調査」でわかった。

 調査は、証券化手法を活用した不動産投資に対する意向を明らかにする目的で実施した。不動産ファンドビジネスへの取り組みを尋ねたところ、不動産会社の48%は「拡大する」と答えた。「現状を維持する」と「証券化手法を活用しない」とする回答が26%ずつで、「縮小する」という意見はなかった。

 一方、金融機関の51%は不動産ファンドビジネスへの投融資を「現状を維持する」と回答した。以下「証券化手法を活用しない」が26%、「拡大する」が12%、「縮小する」が11%となっている。投融資をしない理由としては、「証券化の知識やノウハウを持った人材が不足しているから」(「とてもあてはまる」と「あてはまる」の合計で100%)、「証券化するコストや事務処理が負担だから」(同69%)が多かった。

 投資する用途・地域別では、不動産会社が「東京23区のオフィス」(50%)、「東京23区の賃貸マンション」(44%)、「東京23区の商業施設」(36%)、「東京圏の賃貸マンション」(30%)、「東京圏の商業施設」(22%)と答えた。金融機関は「東京23区の賃貸マンション」(32%)、「東京23区のオフィス」(25%)、「東京23区の物流施設」(17%)、「東京23区の商業施設」(14%)、「東京圏の物流施設」(12%)の順になっている。金融機関が物流施設にも注目している様子がみてとれる。

 東日本大震災の影響についても、不動産会社と金融機関の見方は分かれた。不動産会社の58%が不動産の開発・再生に「影響を与えた」(「影響を与えた」と「やや影響を与えた」の合計)とする一方、金融機関の63%は不動産投融資の意向に「影響を与えていない」とした。

 調査は2012年3月に実施した。調査対象は、不動産会社349社(アセットマネジメント会社を含む)と、金融機関1344社(年金基金を含む)。不動産会社58社と金融機関74社から回答があった。