完成予想図(資料:三菱地所)
完成予想図(資料:三菱地所)

 三菱地所は2012年6月、中国・成都市で大規模分譲マンション開発事業に参画すると発表した。シンガポールのサバナ(Surbana)社との共同事業だ。総事業費は非公開だが、事業費のうちエクイティ部分は約200億円を予定しており、その30%にあたる約60億円を三菱地所が特別目的会社(SPC)を通じて出資する。

 開発地は、四川省成都市の中心部から南東へ約15km、2014年に開通予定の地下鉄2号線新駅から徒歩約20分の場所だ。成都市の龍泉駅区にあり、周辺ではホテルやゴルフ場、商業・医療施設の誘致も進んでいる。三菱地所とサバナ社は約7万5000m2の土地に、延べ床面積約30万m2、総戸数約3400の分譲マンション(一部店舗やSOHOを含む)を建設する。マンションビルの規模や棟数はまだ決まっていない。

 三菱地所は、2020年度に向けた中長期経営計画「BREAKTHROUGH 2020」の中で、2011年度~2013年度を海外事業拡大のための準備期間と位置づけ、現地パートナーとの連携による投資機会や事業エリアの拡大をめざしている。この一環として、ベトナムやシンガポールなどでも新規事業に積極的に取り組んでいる。

 中国では2011年4月に上海駐在員事務所を開設、瀋陽でのアウトレット事業、蘇州工業園区での住宅・商業施設の複合開発事業、上海市嘉定区での大規模住宅事業に乗り出した。今回の発表はこれらに続く四つ目の案件となる。

 サバナ社は、シンガポールの公共住宅公社HDB(住宅開発局)の一部門が2003年に独立してできた会社。中国においては、2003年から複数の大規模住宅開発プロジェクトを手がけてきた実績を持つ。三菱地所はサバナ社と長期的なパートナーシップの構築を図っていくと話している。


開発名:中国・成都市の大規模住宅開発事業
所在地:中国四川省成都市龍泉駅区大面街道
最寄り駅:地下鉄2号線(2014年開通予定)新駅徒歩約20分
面積:土地約7万5000m2、延べ床約30万m2
用途:共同住宅(分譲中心、一部に店舗やSOHO)
総戸数:約3400
事業主:Surbana、三菱地所
工期:2012年末ごろ~2017年(予定)