パナホームは2012年7月、女性向け賃貸集合住宅の新ブランド「Lacine(ラシーネ)」の全国展開を開始する。女性の感性や嗜好に合わせて、設備と運営の両面で付加価値をつけた賃貸集合住宅だ。パナホームと関連会社で、建物の建設と住宅の管理・運営を請け負う。2012年度に80棟、2015年までに年間200棟の受注をめざす。

 2011年6月、パナホームは三鷹市で短期体験型の賃貸集合住宅「ラシーネ井の頭」をオープンした。これは2週間~4週間の短期滞在で、住宅のデザインや機能、住宅に装備されたパナソニックの省エネ家電などを体験できるというもの。入居者交流イベントや、各種セミナーも開催している。1年間で約110人の利用者があった。パナホームはラシーネ井の頭の運営を通して、人気を集める賃貸集合住宅の付加価値について分析、検証し、この結果を全国展開するラシーネの建設や運営に反映する。

 ラシーネの展開にあたり、パナホームは企業内研究所「ラシーネ研究所」を設立する。ここで、賃貸住宅の企画から建築、管理運営、街づくりにいたるまでトータルに提案する仕組み作りと、継続的に収益を確保できるビジネスモデルを構築する計画だ。

 一方、ラシーネ井の頭と同タイプの短期体験入居型「おためしステイ」も首都圏で事業を拡張する。こちらも建物の建設と住宅の管理・運営を請け負う。賃貸借契約はパナホーム不動産が一括借り上げ、入居者は定期借家契約となる。2012年7月からの1年間で100戸(10棟)の受注を見込んでいる。