ヒューリックがマサチューセッツ工科大学と共同開発した動力不要の採光ルーバーユニット
ヒューリックがマサチューセッツ工科大学と共同開発した動力不要の採光ルーバーユニット
(資料:ヒューリック)
(資料:ヒューリック)
ヒューリックの新本社となる大伝馬ビル
ヒューリックの新本社となる大伝馬ビル

 ヒューリックはマサチューセッツ工科大学と共同で、動力不要の自然採光システムを開発し、中央区日本橋大伝馬町で建設中のヒューリック大伝馬ビルに導入した。

 自然採光は、新開発の「採光ルーバーユニット」によって実現した。窓の上部に、この装置を並べて取り付けることで、晴天時には窓際から10m離れた机上面で700ルクス、12m離れた机上面で500ルクスの照度が確保できる。装置がない状態では10m離れると100ルクス以下の照度だった。曇天時でも、窓から6m離れた机上面で200ルクス程度の明るさがある。人工の照明と比べて自然光は、執務時の快適性向上にも効果があるとみている。

 採光ルーバーユニットは固定式で動力不要。ビルの5階~10階の南西面に取り付ける。周囲はオフィスビル街だが、時間や季節によって太陽光の角度が変化しても、効率よく室内に光を取り込む。大伝馬ビルでは、LED照明の照度センサーと組み合わせて自動調光する。1フロアの執務室の面積524m2のうち約200m2の範囲で、照明のエネルギーが抑制できる見通しだ。

 採光ルーバーユニットを構成するのは、光を反射させて光を効率よく室内に導くアルミ製の部材と、取り込んだ光を広範囲に拡散させるアクリル製の棒状の部材だ。これらの部材はガラス板で挟み込んであるので、装置の内部にほこりが入ることはない。ユニットを取り付けた窓側5mほどの天井面には、エンボス加工を施したアルミ製の板を貼る。反射によって自然光を室内の奥まで導く役割だ。

 ヒューリックは他の開発物件にも採光ルーバーユニットを導入する考えだ。他社に販売することも検討する。環境配慮・防災対応の長寿命オフィスビルとして開発中のヒューリック大伝馬ビルは、10月からヒューリックが本社として使用する。

名称:ヒューリック大伝馬ビル
所在地:中央区日本橋大伝馬町7-3(住居表示)
最寄り駅:地下鉄小伝馬町駅徒歩1分
面積:土地996.71m2、延べ床7687.94m2
構造:S・SRC・RC造(免震)
階数(地上/地下):10/1
事業主:ヒューリック
設計:日建設計
施工:大成建設・飛島建設JV
工期:2011年2月~2012年9月
事業費:42億円

PAL低減率:25.33%、ERR:46.09%
1m2あたり年間エネルギー消費量の想定値:1352MJ/m2・年
環境認証:DBJグリーンビルディング認証「プラチナ」