日経不動産マーケット情報が、オフィスビルの節電や環境配慮をテーマに実施したテナントニーズ調査には60件を超える自由意見が寄せられた。東日本大震災を機にオフィスビルに求める機能やサービスが変化するなかで、テナントの満足と不満の境界線が見えてくる。

 多かったのは、ビル事業者の説明不足や節電の収支が不明朗であることへの不満だ。例えば次のような意見がある。

 「節電対応や環境配慮は必要なことであり、場合によっては費用の一部負担も含めて、テナント側も協力すべきだと考える。ただし、そのためには、節電によるコスト減の返還や収支の開示などの透明性が必須である」

 「金もうけ優先のところがあり、節電対応や環境配慮に積極的ではなく、むしろテナント側から要請する始末。企業の社会的責任として、ビル事業者は積極的に行なうべきである」と、テナントからあからさまに指摘されたビル事業者もいる。「フロアにより対応の差が見られ、不公平さを感じた」という意見からもわかるように、テナントはビル事業者の行動を、よく観察している。

 なかには「詳細な説明はないが、信頼しているので特に不満は感じない」というテナントもいるが、一朝一夕でこのような関係を築くことはできないだろう。

 「定期的に説明会があり、資料も配られるので満足している」、「ビル事業者のリーダーシップの下、各テナントが協力し合っていることが明確であり、社内の協力が得やすい状況をつくってくれている」。やはり、説明や情報開示に手を抜かない姿勢が、信頼構築の第一歩といえそうだ。

 調査は2012年4月~5月、東京都内の延べ床面積1万m2以上の主要オフィスビルのテナントを対象に実施し、315件の有効回答を得た。結果は8月20日発行の調査レポート「3.11以降のオフィスビル テナントニーズ」に収録。「日経不動産マーケット情報9月号」にも関連記事を掲載した。

3.11以降のオフィスビル テナントニーズ、節電・防災・省エネ改修・内装への要望

3.11以降のオフィスビル テナントニーズ
節電・防災・省エネ改修・内装への要望

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A4判、56ページ、2012年8月20日発行