PEREフォーラムの様子(写真:PEI)
PEREフォーラムの様子(写真:PEI)

 9月12日、東京・日本橋のマンダリン オリエンタル東京で、PEREフォーラム:ジャパン2012が開催された。不動産投資の専門誌、PERE(Private Equity Real Estate)を発行する英PEI Mediaが主催したもので、同社が日本でコンファレンスを開催するのはこれが初めて。

 当日の参加者数は約150人。コーヒーブレークとランチを挟み、合計九つのセッションが行われた。各セッションでは、日本の不動産市場の見通し、ファイナンスマーケットの状況、J-REIT(不動産投資信託)と私募REIT市場の動向などのテーマについて議論が繰り広げられた。またカンファレンスの後半では、星野リゾートの星野佳路(よしはる)社長が、日本のリゾートマーケットの現状や成長の可能性について講演を行い、参加者の注目を集めた。

 セッションの口火を切ったのは、イデラ キャピタルマネジメントの平井幹久会長がモデレーターを務めるセッション、「ジャパン アウトルック」だ。イデラ キャピタルマネジメントは、フォーラムのリードスポンサーも務めている。

 同セッションにパネラーとして参加したGICリアルエステート・インターナショナル・ジャパン 駐日代表のKen Chan氏は、今後有望なセクターについて、中国をはじめとするアジアからの旅行需要の高まりから宿泊などのホスピタリティマーケットを挙げた。また高齢化が進む一方、シニア層の消費需要の高まりなども期待でき、日本は総じて興味深いマーケットであると述べた。

 同席したエートスキャピタル・アジアのCEOであるScott M. Kelly氏は、賃料の底入れ、低い借り入れコストなどから日本に投資するには良い時期との見方を示した。一方で、欧州債務危機などの現状を考えれば、世界経済は今後2、3年は厳しい状況が続くとも指摘した。