J-REITセッションの様子。司会はS&Pの井澤朗子 主席アナリスト(写真:PERE)
J-REITセッションの様子。司会はS&Pの井澤朗子 主席アナリスト(写真:PERE)

 PEREフォーラム:ジャパン2012では、J-REIT(不動産投資信託)市場についてのセッションも開かれた。パネラーからは、市場の発展にはさらなる制度改革が必要であるとの意見が多かった。

 三菱商事UBSリアルティの吉本隆信副社長は、「転換社債(CB)や種類株の発行など、投資法人の資金調達手段の多様化が、J-REIT市場の発展には重要だ」と述べた。さらに、事業法人が不動産を売却しやすくするため、資産の譲渡益課税を繰り延べる効果が見込める「UPREIT(アップリート)税制の導入も継続して検討すべき」であると主張した。

 4月にグループの住宅特化型REITを東証に上場させたケネディクスの川島敦社長は、政府部内で議論されているように都市再生機構(UR)の資産を対象としたREITを設立することや、あるいは日本郵政によるREIT設立なども市場拡大の有力な選択肢であるとの考えを示した。

 セッションでは、参入が相次ぐ私募REIT市場についても議論が行われた。投資家サイドから出席した大阪府病院厚生年金基金の運用執行理事、藤岡博憲氏は、「上場REITの課題の一つは、株式市場の状況によって価格が乱高下すること」であると述べ、私募REIT市場の発展に期待をにじませた。ただし藤岡氏は、上場REITほどではないにせよ、私募REITも不動産鑑定評価により価格が上下すると指摘。換金性のリスクもあり、課題点は多いと付け加えた。

 また、パネラーの間では、東日本大震災を受けて、投資不動産の地域分散が喫緊の課題であるとの声も上がった。