物件取得を実施した企業数の推移
物件取得を実施した企業数の推移
取得額と取得土地面積の上位10社
取得額と取得土地面積の上位10社

 2013年に国内不動産を取得した上場企業数は10月時点ですでに44社に達し、2012年の2倍に達した。取得企業数が前年を上回るのは3年ぶりで、取得総額や取得総面積も大きく伸びている。東京商工リサーチが2013年11月にまとめた(注1)。同社はこれまで上場企業の不動産売却に関する調査を実施してきたが、今回初めて上場企業の不動産取得に関する調査結果をまとめた。

 取得企業数は2008年には56社あったがその後は減少傾向が続き、2012年には22社まで落ち込んでいた。これが2013年には大きく反転。調査データをまとめた6年のなかで最多の2008年に迫る勢いを見せている。取得理由も、新工場や新社屋の用地取得や建設、新規事業進出といった「事業拡大」型が18社と最も多く、これに賃貸用ビルなどを取得する「事業用収益物件の取得」型と、賃貸物件を自社所有とする「経営安定」型がともに13社が続いた。なお「事業用収益物件の取得」型は前年の4社から急増している。

金額トップはNEC、面積ではメガソーラー業者のハイブリッド・サービス

 44社のうち43社は取得額を公表しており、その合計は3216億円に達した。2012年の19社、427億円に比べ7.5倍と急増している。トップはNECの575億円だ。玉川事業場の一部を建て替えて建設した玉川ルネッサンスシティを流動化して賃借していたが、中長期的なコスト削減を狙って買い戻した(関連記事1)。2位はヒューリックがポートフォリオ強化のための長期保有ビルとして神谷町セントラルプレイスを500億円で取得した事例。3位は日本アセットマーケティングが親会社のドン・キホーテなどから保有物件を移管された際の合計468億円となっている。以下、パルコが福岡パルコと隣接する都築学園ビルを取得するために投じた265億円(関連記事2)、アスクルが埼玉県で建設中の物流施設を取得した際の153億円(関連記事3)が続く。

 取得した土地の面積を公表した企業は18社、合計133万5886m2だった。2012年の16社、12万8858m2に比べて10倍以上と大幅増だ。トップは、メガソーラー(大規模太陽光発電)事業の本格展開に向けて用地を取得したハイブリッド・サービスの114万4564m2。トップの取得面積が突出して大きいために前年と単純な比較はできないが、設備投資の活性化を映し出しているといえるだろう。以下、2位に金額ランキングでも5位に入ったアスクルの物流施設の敷地5万5062m2、3位に関西エリアの営業強化策で既存倉庫の隣接地を取得した鋼材販売・加工会社の小野建の4万2800m2が続いている。

 取得企業の業種別社数では不動産会社が10社で最も多かった。これにサービス業7社、小売り5社、卸売り4社、電気機器3社と続く。業種別の取得額は、不動産会社の1101億円が最大だ。銀行の業種別貸し出しで、不動産向けが増加していることを裏付ける格好となった。以下、電気機器が609億円、小売りが441億円、サービス業が392億円、情報・通信が143億円の順となっている。

(注1)調査は、東京証券取引所の1部または2部に上場している企業(不動産投資法人を除く)を対象とした。2013年11月8日までに公表された適時開示資料に基づき、国内不動産(固定資産)取得や新設を決議、公表した企業を集計した。