国土交通省は、2014年秋からの本番運用をめざし、試験運用中の住宅価格指数(インデックス)の改良を実施する。データ時点から発表までのタイムラグを現在の5カ月から3カ月に短縮するほか、東京都については新たに10年分の時系列データを追加し、1998年以降のトレンドを追えるようにする。

 1月21日に開催した第1回「不動産価格指数(住宅・商業用不動産)の整備に関する研究会」で、座長の清水千弘麗澤大学教授らに内容を報告し、課題を整理した。

 2012年8月から試験運用を開始した同省の住宅価格指数は、不動産購入者へのアンケート調査を基に構築した取引データベース「土地総合情報システム」を使用している。従来はアンケート用紙の回収や入力に時間を要していたため、速報版でも5カ月後の発表となっていた。2013年10月からウェブサイトでの回答受付を開始したことで、情報収集のペースが上がり、3カ月後の速報が可能になった。

 また、これまでの指数は2008年4月以降に限られていたが、それより前の取引事例についても東京都内に限り、10年分の取引データを追加する。提供元の東京都不動産鑑定士協会は、それまで地価公示調査の一環として、国交省と共同で同様のアンケート調査を実施していた。

 同省の住宅価格指数は、欧州連合(EU)の統計機関であるEurostatや国際通貨基金(IMF)が策定した住宅価格指数の規格、Residential Property Price Index Handbookに準拠している。これはマクロ経済指標の一つとしてIMFが各国に整備を求めているもので、国際的に比較可能な形で、住宅バブルの発生をいち早く察知する目的がある。東証住宅価格指数とは、情報源や算出方式(国交省:ヘドニック法、東証:リピートセールス法)のほか、地方圏やマンション以外の物件をカバーするなどの違いがある。

 国交省は今回の改定で、同規格に準拠し計算方法の修正などを実施する。季節調整済み指数の追加や、取引件数といった流動性指標の公表も検討している。指数の改定は4月から実施し、その後はアンケート項目の追加などを反映して秋に本番運用とする予定だ。今後は、時系列データのさらなる長期化に向けて各不動産鑑定士協会と協議する。

 また、オフィスビルや店舗、倉庫など商業用(事業用)不動産の指数開発については、大規模物件の取引事例不足といった課題があるものの、REIT(不動産投資信託)データの活用なども視野に入れて引き続き検討を進める。