ドバイのデベロッパー最大手、Emmar Propertiesによる展示。中央は世界で最も高いブルジュ・ハリファ
ドバイのデベロッパー最大手、Emmar Propertiesによる展示。中央は世界で最も高いブルジュ・ハリファ

 2009年の経済危機以来、MPIM会場ですっかり鳴りをひそめていたドバイが、最大手デベロッパーEmaar Properties(エマール・プロパティーズ)による派手な展示とともにカムバックした。300m2近いブースでは、世界で最も高いブルジュ・ハリファ(828m)の建築モデルが人目を引いた。

 エマールは1997年に創設された政府系上場会社で、ドバイ開発の先駆者。金融危機の影響をまともに受けた会社の一つだが、すでに多くのプロジェクトが峠を越しており完成にこぎつけることができたようだ。ブルジュ・ハリファは2010年に完成し、その際の資金繰りをサポートしたアブダビ首長兼アラブ首長国連邦(UAE)大統領の名前を掲げている。再開発エリア「ダウンタウン・ドバイ」のランドマークだ。オフィス、住居、ショッピングモール、ホテル、娯楽施設などを合わせた総工費は200億ドルに上る。

 「この地区には世界最高層の建築、世界最大のショッピングモールと噴水ショーがある。2013年のモール入場者は延べ7500万人を超え、周辺5軒のホテルの平均稼働率は85%以上を記録した。今回は一部余裕が出たブルジュ・ハリファのオフィス部門と、その下に完成する複合開発プロジェクト、ドバイ・オペラをお披露目に来た」とエマールの担当者は語る。

 エマールは現在、毎週のように国内外でプロジェクトに着手している。2020年の万博開催が決まった同国では、ほかのデベロッパーも休眠していたプロジェクトの多くを再開した。湾岸諸国がアラブの春に揺れた時期にも、政情の安定したドバイには人材や資金の流入が続き、経済は力強く回復している。


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篠田 香子=フリーランス