2012年4月の新宿区に続き、5月は千代田区でまとまった規模の空室を抱えた大規模ビルが竣工、東京都心5区の大規模ビルの空室率を3カ月連続で押し上げた。5月末時点の空室率は対前月比+0.43ポイントの7.16%と、2004年2月以来の7.1%台に達している。ハイペースの新規供給に需要が追い付かず、供給過剰の様相を呈している。2003年以来となる大量供給はピークを越えつつあるが、2次空室の状況次第では一層の空室率上昇の可能性もある。現空面積も、1994年統計開始以来の最高値を2カ月連続で更新した。ただし募集賃料は、5月は微増ながらも4カ月連続で上昇を記録した。一部のエリアでは需給バランス改善による賃料下げ止まりの動きも出始めている。