例えば、REIT(不動産投資信託)の価格情報と決算資料のデータを使って計算できるインプライド・キャップレート(年間NOI(純収益)÷(時価総額+ネット有利子負債+預かり敷金・保証金))から、投資家が要求している期待利回り水準とその変化を把握できる。しかも、実物不動産の売買時のキャップレート変動に先行し、投資口価格を基に算出できるために速報性に優れる。2006年以降のインプライド・キャップレートの推移は、2007年上期に底(価格はピーク)を打って反転上昇し、2008年のリーマンショック後の価格の下落を予兆していた。その後、東日本大震災を経て緩やかな回復基調を描き、2012年終盤から低下が加速した。2013年4月以降はそれまでの急低下の揺り戻し・調整が現在まで続いている。またREITの運用不動産ポートフォリオの現実のNOI利回りとインプライド・キャップレートとの乖離幅の推移から、市場のセンチメントの過熱度をうかがい知ることもできる。