タイの首都、バンコクは世界有数の国際都市でオフィスストックは大規模だが、ハイグレードビルは少ない。主要なオフィスエリアはサウスCBDとノースCBDだ。サウスCBDのシーロム通りには古いビルが多く、サトーン通りには新しい大規模ビルが多い。ノースCBDはラマ1世通りとプルンチット通りを中心とする高級商業エリアで、オフィス賃料も市内で最も高い。バンコクのオフィス市場は、以前は政情不安などから賃料が伸び悩み、ビル建設もわずかという停滞が続いていた。最近は新規供給が少ないことから賃料は上昇傾向にある。今後もオフィスビルの建設計画は限定的で、需給バランスが大きく崩れる可能性は小さい。CBDでの新規供給は少なく、新たなオフィスエリアの形成が進むスクンビット通りやラチャダビセーク通りでも開発は鉄道駅に隣接した立地に限定されている。タイは外国資本規制が厳しく、海外企業の投資機会は現地不動産会社への株式投資や、現地企業と設立したJVへのマイナー出資などに限られている。今後のREIT(不動産投資信託)市場拡大が待たれる。