不動産市場に対するアベノミクスの効果は、売買市場においては(1)株価と相関がある投資口価格の上昇でREIT(不動産投資信託)の新規上場・増資が活発化して物件取得が増加、(2)株価上昇と社債金利の低下で不動産会社の資金調達力が向上して物件取得を強化、(3)不動産価格の上昇期待で売り手が動意付くとともに将来価格の上昇を見込むファンドなどの取得が増加、といった経路で波及していると考えられる。一方、賃貸市場においては、設備投資などの実体経済面に効果が本格波及するのは今後とみられる。不動産市場はまだ自立的回復局面にあるだろう。今後に向けてはオリンピック関連の投資増加もあり、景気回復が進めばテナント企業のオフィス需要の拡大が期待できる。売買市場でも、金融緩和が不動産取引を活性化し、取引増加が不動産価格の上昇につながることから、市場が拡大する可能性が高い。