不動産売買市場における投資家動向やプロパティタイプ別の投資選好を読み取るため、実際の取引量と価格の2軸で市場サイクルを表現し、現状がサイクルのどの局面にあり今後どこに向かっていく公算が大きいかを分析した。その結果、現在のオフィスビル市場では、取引量の大幅な増加を伴わない価格上昇期を迎えていることがわかった。今後もこの傾向が続き、良質な物件への取得ニーズは過熱して期待利回りは低下していくだろう。今後についても、取引量の大幅な拡大を伴わない緩やかな価格上昇過程をたどると考えられる。足元ではREIT(不動産投資信託)の取得力が相対的に強く、私募ファンドが価格をけん引する局面になることは考えにくいため、比較的抑制的な市場の回復が進行することが予想される。