香港の商業施設市場において、高級ブランド店が集中する中心エリアでは足元の賃料に天井感が見られる。一方で、日用品を取り扱う店舗需要は郊外を中心に強まっており、賃料の上昇につながっている。香港と中国各地の境界近くでは、従来は住宅エリアだった場所が、中国人訪港客(中国大陸から香港を訪れる観光客やビジネス客)が買い物をするために集まる場所に変貌した。そこでは紙おむつや粉ミルクなどが飛ぶように売れている。ただし中国人訪港客数の伸び率は縮小傾向で、これを主な顧客とする小売店は今後、相応の方向転換に迫られる可能性が高い。