世界に先がけた感染症対策シティをめざす――。「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」といった都心再開発を進める福岡市は、コロナ禍の拡大を受け、感染症対策に取り組む開発プロジェクトに対して容積率を割り増す制度を打ち出しました。中心部で大規模開発が進むこの機を捉え、新時代にふさわしい先端的な街づくりを進めようという意欲的な施策です。これに民間も同調。再開発が進むにつれ、福岡の魅力が一層高まっていくことになりそうです。日経不動産マーケット情報2021年1月号は、そんな福岡の不動産市場を特集しました。オフィスや店舗の賃貸市況をはじめ、ホテルの動向、不動産取引や開発の事例などを、幅広く解説しています。ぜひご覧ください。

 1月号では、シンクタンクや証券会社、不動産仲介会社のアナリスト20人によるオフィス市況予測も掲載しました。コロナ禍の影響でオフィス賃貸市況に変調が生じているのは、これまでにも本誌が伝えてきたところですが、アナリストの予測によると2021年前半にかけてさらに下落しそうな状況です。ただし2021年~2022年は新規供給が比較的少ないことから、その後、大崩れすることはないとの見方が優勢となっています。アナリスト20人がそれぞれ市況をどう予測しているのかは、本誌でご確認ください。

 売買レポートは、韓国投資信託運用が対日投資の第4弾として住友商事から取得した麹町のオフィスビルや、ユナイテッド・アーバン投資法人が実施した総額324億円の資産入れ替え、ユニデンが80億円で売却した銀座の店舗ビルなど、記事22本を収録。これらを含む取引事例133件を一覧表にまとめました。なお、2002年の創刊以来の取引データは「ディールサーチ」で提供しています。REITの運用実績データなども収録していますので、トラックレコードをお探しの際はぜひ利用をご検討ください。

 コロナ禍に大揺れだった2020年も終わりに近づいています。今年1年、日経不動産マーケット情報をご愛顧いただき、どうもありがとうございました。残念ながら来年もコロナ問題を引きずりそうな情勢ですが、小誌はさらにパワーアップして情報を提供していきますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。

三上 一大