1階の水準は、表参道を除き下落に転じている。募集件数も急激に増加しており、都心エリアの出退店の需給バランスが崩れ始めている。新型コロナウイルスの影響が少なからず賃料にダメージを与えており、プライムエリア以外では空室の増加が目立ち始めている。新規物件はこれまでと同水準で募集するが時間がかかっており、一方で出店の動きは鈍いため、当面は空室が多い状況が続くと思われる。

 2020年第3四半期の1階募集賃料は、銀座新宿渋谷池袋は2020年第2四半期の水準からダウンし、新型コロナウイルスによる退店増加と新規出店が殆どみられないという状況が賃料トレンドにも表れ出した。

 1階以外の募集賃料も各エリアともに1階同様ダウンに転じている。

 新型コロナウイルスの影響により、インバウンド比率の高い街、飲食にシフトした繁華街はテナントの休業や退去が相次いでいる。繁華街ほど厳しく、体力のない企業から退店、空室増加となっており、この影響が表れている。

 2階以上の賃料トレンドには、オフィスマーケットが弱いという影響も効いていると考えられる。

■東京・主要商業エリアの賃料・募集件数の推移(2020年第3四半期)
フロア区分 銀座 表参道 新宿 渋谷 池袋
募集賃料
(円/坪)
全フロア 37,856 39,205 33,897 33,381 28,323
1F 66,475 50,518 55,255 43,972 49,314
1F以外 33,268 34,242 28,058 29,310 26,302
募集件数 全フロア 305 385 261 213 316
1F 52 134 49 64 41
1F以外 253 251 212 149 275
スタイルアクトが提供するReRemによる集計

ビーエーシー・アーバンプロジェクト