世界金融危機から10年以上が経過した現在、アジア太平洋地域の不動産は引き続き良好なリターンを生み出している。だが、現行のサイクルの終わりに向かって時計が進むなか、投資家の戦略に慎重さの度合いが増している。市場がビークに近いのか、あるはピークを越えたのかについて明確なコンセンサスはない。にも関わらず、こうした状況が生まれている原因の一つには、アジア太平洋地域の市場が均質でないことがある。シンガポールのあるデベロッパーが述べたように「市場の下降リスクは大幅に高まったが、その状況は市場によって異なっている」。加えて、アジア太平洋地域の市場や部門はそれぞれ独自のサイクルの中で異なる段階であることが多い。例えば、シンガポールは3年ほど前に底入れした景気不振からようやく回復したところだが、ほかの市場では6年以上も同じ景気の波に乗り続けているところもある。